
凄まじいコーラスワーク
魅力はたくさんある。
完璧なリズム。ライブの場数と経験に裏付けられた見事なまでのバンドサウンド。
緻密でありながらも、コンピュータや打ち込みでは再現できない「人間味」のにじみ出る縄のような音の集合体。
ノリが良くクセのある楽曲も素晴らしい。
メッセージ性の強い歌詞。笑いの要素も忘れてはいない。
何もかも全てがグルーヴを作り出す部品となって、大胆かつ正確に働いている。
テレビなどで耳にする いわゆる「ヒット曲」とは正反対に思える印象。
スタイリッシュでもないしカラオケで歌うような曲でもない。
しかし一度そのうねりに呑まれると、後へは引けない快感となって何度も何度も聞いてしまう。
何より素晴らしいのは、
メンバー全員によるコーラスワーク。
時に叫びにも近い、力いっぱいの分厚いコーラスは凄まじい勢いで胸の中を掻き回す。
この“声の勢い”こそが、このバンドのグルーヴの真髄なのだ。
このアルバム最後の曲『知識を得て、心を開き、自転車に乗れ!』の中盤、
「THINK! YOURSELF! FIND OUT!」の叫びは
まさに聞く者の心を開放し、身震いを起こさせるものだ。
言葉も音も分厚く、濃い(笑)
聴き直すたびに感じるのが、その鳴っている音の多さ(笑)。
まるでこのアルバムジャケットの様に、様々な音が鳴っているのだが
きっちりと聴かせたいところはちゃんと聞こえてくるのは凄い。
明確なイメージ、が無ければこうはいかないだろう。
ゲストも、じゃがたらのヤヒロ氏に、いまをときめく、菊地成孔氏。
驚いたのが、一曲のみだが割礼の宍戸氏。サイケデリックなギターを聴かせてくれる。
梅津和時氏も一曲だけ参加だが、異彩を放っている。
音も、ジャンルもとにかく雑多なのに、焦点がぶれていない、と感じられる。
混乱の一歩手前で踏みとどまっている意志の強さと情熱が伺える。
ニューエストとしての、少なくともこの時点での最終到達点がこのアルバムであろう。
10年以上前の作品ながら、充分今でも刺激的な日本語ロック。
薄味音楽が好みの人には、絶対にススメませんが(笑)。
渡り廊下にあかりをともしましょう
わけへだてのない侵略者、というタイトルと、この後のグループ名の元のような、
たましいの花党?という曲から始まる作品です。<p>ちょっと前、リーダー?ボーカル?の方が電話会社系コミュニケーション企業のイメージ広告に、
三味線か何かをもつ老人といっしょに談笑している図が使われていました。<p>ずかずかと刺し込んでくる歌詞、だと思います。
豪胆にして繊細な・・
バンドのメイン・ソングライターである中川敬は鋭敏な言語感覚の持ち主である。豪胆にして繊細な。このアルバムが発表されたのは92年。当時の日本を覆っていたイヤーな雰囲気に抗う姿勢を歌詞で示しているが、同時に時代風景を描くことに成功している。(ここが非凡なわけよ)
音はヒップホップ、ソウル、ダブ、ファンク、歌謡曲を自分たちなりに再解釈、再構築している。こういう説明をされるバンドは他にもあるけれどもこのバンドは決して「オシャレ」な感じがしない。そういう風になるのを意識的に避けている。あくまで身の丈にあったものにしよう、という姿勢が貫かれている。照れ屋で、インテリジェントなのだと思う。
中流気分に浸ることはできないが(多くのJポップはこのことのために消費されている)、清々しさ、凛々しさを感じることができる、日本のポップスには稀有な一枚だ。
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